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個別労働紛争予防と解決individual labor-related disputes

増加傾向にある個別労働紛争

経済の国際競争激化や世界規模の不況下において、企業はリストラや労働条件の引き下げ、成果主義の導入等、様々な対応を行いました。そのような中で、終身雇用を前提とした雇用関係が崩壊しつつあり、さらにコミュニケーション不足も重なり、職場環境もギスギスとして、パワハラ・いじめなどが起こっています。
一方で、労働者は権利意識や労働法についての知識が向上することで、会社と個別の労働者との間に様々な紛争が起こっております。
このように、個々の労働者との間で発生する民事上のトラブルを個別労働紛争といいますが、厚生労働省発表の資料によれば、労働局に寄せられた総合労働相談件数は、過去最高件数であった昨年度と同水準で高止まりしている状況です。
今後もこの状況は続くと考えられます。


出典:厚生労働省「平成22年度個別労働紛争解決制度施行状況」


個別労働紛争が起こってしまったら


解決方法

誰もが知っている解決方法としては、民事訴訟による解決です。
解決方法としては強力ですが、期間も長期にわたりますので、最終的な方法と言えるでしょう。

労働審判制度

平成18年4月に誕生したばかりの新しい制度です。
労働審判制度は、裁判所において、原則として3回以内の期日で、迅速、適正かつ実効的に解決することを目的として設けられた制度です。
労働審判手続では、裁判官である労働審判官1名と労働関係に関する専門的な知識経験を有する労働審判員2名とで組織する労働審判委員会が審理し、適宜調停を試み、調停がまとまらなければ労働審判をします。
労働審判官の呼出しを受けた関係者が出頭しないときは、過料の制裁があります。
手続も原則非公開ですが、相手方とは顔を合わすことになります。
労働審判に対して異議申立てがある場合は、訴訟に移行します。
しかし審判の申立費用は民事裁判ほどではありませんが有料です。
通常弁護士に依頼します。

身近な解決方法

身近な解決方法としては、都道府県労働局に設置された総合労働相談コーナーの利用があげられます。
総合労働相談コーナーでは、労働法等の情報提供や相談に応じてくれますし、労働局長の助言・指導制度や紛争調整委員会によるあっせん制度などを紹介してくれます。
これらは行政ですので全て無料です。
なお、未払い賃金など労働基準法等の法律違反ですと労働基準監督署が窓口となりますが、解雇などの民事上の争いには不介入ですので、個別労働紛争の解決方法としては不十分な部分もあります。

労働局の主な制度
制度 対象となる内容
労働局長の助言・指導 労働条件その他労働関係に関する事項についての紛争

・解雇、配置転換、出向、雇止め、労働条件の不利益変更等の労働条件に関する紛争
・事業主によるいじめ・嫌がらせに関する紛争
・募集、採用に関する紛争 など
都道府県労働局の紛争調整委員会によるあっせん  労働問題に関する分野の紛争(労組、募集・採用等を除く。)

・解雇、配置転換、出向、雇止め、労働条件の不利益変更等の労働条件に関する紛争
・事業主によるいじめ・嫌がらせに関する紛争 など


あっせんとは

さきほど出てきました「あっせん」とは、裁判外での紛争解決の代表的な手続です。略称のADR(Alternative Dispute Resolution)と呼ばれることがあります。
紛争状態にある方からの申請を受け、当事者の間に第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、双方に具体的な解決の道を働きかけるなど、紛争当事者間の調整を行うことにより、紛争の円満な解決を図ることを目的としています。
道府県労働局の助言や指導は、紛争当事者に一定の措置の実施を強制するものではありませんが、あっせん案に合意した内容は、民事上の和解契約の効力があります。
ただし、そもそも相手方があっせんに不参加であったり、両当事者の合意がない場合は打ち切りとなってしまいます。
まとめますと、あっせん制度の特徴としては次の通りです。

・手続きが迅速かつ簡便(原則1回で終了)
・あっせん案に合意した場合は民事上の和解契約の効力がある
・あっせんの場で、両当事者は相手方と顔合わせすることがない
・手続きは非公開でプライバシー保護される

なお、あっせんは、紛争調整委員会によるあっせんのほか、社労士会労働紛争解決センターなど民間のADRセンターの行うあっせんもあります。


特定社会保険労務士が紛争解決手続をサポートします

弊社では、特定社会保険労務士が、あっせん代理人として紛争の当事者を代理し、上記の労働局の紛争調整委員会や社労士会労働紛争解決センター等におけるあっせん手続において、相談に応じたり、和解交渉、和解契約の締結を通じて紛争の解決にあたります。
職場のトラブルをADRで解決することで、裁判になった場合の企業イメージの低下や企業リスクを回避し、経営者の皆様が業務に専念できるようにサポートいたします。
なお、内容によっては、はじめから弁護士へ依頼したほうが良いケースもありますので、その場合には弁護士をご紹介いたします。

※特定社会保険労務士とは
特定社会保険労務士とは、労働問題の専門家である社会労務士のうち、国家試験である紛争解決手続代理業務試験に合格したADRの専門家です。
依頼者の皆様に代わってADRの手続きを行い、トラブルを解決します。


個別労働紛争の未然防止

個別労働紛争は、労働者も経営者もお互いの心身を疲弊させます。
本来、このような労働紛争があってはならず、労働紛争が起こらないように、経営者も労働法を勉強し、雇用環境を整備する必要があります。
弊社では、このような労働紛争を未然に防止するため、顧問契約を通じて、経営者の皆様に労働法を理解して頂き、就業規則の整備をはじめとする労働環境の整備をサポートさせていただきます。
顧問契約の詳細につきましては、お気軽にお問い合わせ下さい。